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2021.09.14
ブログ
サーモグラフィ
コロナ対策として検温をすることが、当たり前の世の中になってきました。出勤時、施設への入場、飲食店、病院など様々な場所で非接触型検温機を見かける機会も多くなっています。今回はコロナ対策で非接触型検温器を導入したいが、何を選べばいいかわからないという企業様に向けて、利用シーン別サーモカメラの導入ポイントをまとめました。
サーモグラフィとは世の中にある“赤外線”をキャッチして可視化するための機器です。私たちの住んでいる世界は、目に見える光以外にも様々な光にあふれています。日焼けの原因となる紫外線もその一つで、目には見えませんが確実に存在しています。その中でも、温度が高いほど強くなる性質を持っている光が赤外線です。サーモグラフィを使ってその赤外線をキャッチし、人間の目に見える画像に赤外線を変換することで、私たちは対象の温度を簡単に知ることができます。
サーモカメラ(非接触型検温器)は大きく分けて3つの種類があります。
メリット:価格が安い
デメリット:検温する人が必要/検温記録が残らない
サーモカメラの中で最もが安い商品は、ガンタイプになります。2020年の緊急事態宣言時に世の中に広がった商品ですが、ガンタイプの検温器には弱点があります。それは、検温距離が短いことです。検温するには検温器を3~5cmまで近づける必要があり、検温する側とされる側が近い距離で接する事になりますまた、お客様に使う場合はお客様側に検温機を突き付けることになるので心理的ストレスを与えてしまいますし、従業員向けに使う場合も検温記録が残らないため、検温管理の工数が増えてしまいます。
メリット:無人で検温ができる/感染対策の機能が充実している
デメリット:一人ずつ検温/商品によって機能差が激しい
2つ目はタブレットタイプです。タブレットタイプは、利用者が画面をのぞき込むことによって検温ができます。そのためガンタイプとは異なり、無人で検温することができます。また、コロナ対策として開発された製品が多いため、利用シーンごとに必要な機能が充実していることも特徴となっています。しかしながら、金額面や機能面に大きな差があり、「検温に時間がかかる」「人体の温度とは乖離した温度が出る」といった製品も存在します。そのため導入の際には、利用シーンに適した機能を見極める必要があります。後述する機種選びのポイント以降では、導入の際のポイントをまとめていますので是非ご覧ください。
メリット:無人で検温ができる/複数人同時検温できる
デメリット:金額が高い
3つ目はカメラタイプ(仮称)です。カメラタイプ(仮称)は、検温したい場所にサーモカメラを設置し、併設のモニターで検温結果を確認することができます。特徴としては、複数人の検温を同時にできることです。タブレットタイプと同様に無人で検温でき、検温にかかる労力を減らすことができます。人の往来が激しい施設でも検温待機列を作ることなく運用可能です。しかしながら、カメラだけでなくモニターも併設する必要があるためタブレットタイプに比べて費用が高くなります。
次からは、タブレットタイプのサーモカメラを導入するときのポイントについてまとめていきます。
タブレットタイプのサーモカメラの契約形態は大きく分けると「購入」と「レンタル」の二つがあります。ここでは、その二つのメリットとデメリットをまとめます。
<メリット>
・任意のタイミングで解約できる
・保守サポートがある
・機能のアップデートがある
<デメリット>
・長期利用の場合割高になる可能性がある
まずは、レンタルの場合のメリットとデメリットについてまとめます。
購入との大きな違いは、任意のタイミングで解約できることです。現在はワクチン接種も進んでおり、検温がいつまで必要になるかわかりません。また、より性能の良い製品ができる可能性もあります。半年、一年といった期間で様子を見ながら判断していくことが無駄な出費を抑えることにつながります。
レンタルであれば契約期間中は保守サポートがつくので、利用方法がわからない場合や万が一端末が壊れた場合でもスピーディーに対応してくれます。機能のアップデートもあるので安心して、サーモグラフィを使うことができます。
デメリットとしては、今後ずっと使っていきたいという場合に、購入に比べて費用が割高になる可能性があります。ただし、TACTでは2年、3年といった長期間レンタルプランもご用意しておりますのでお気軽にご相談ください。
<メリット>
・導入の際に補助金が使える可能性がある
・長期間利用する場合割安
<デメリット>
・保守期間が短い
・性能が悪い場合に買い替えの必要がある
購入のメリットは、補助金を使って、安くいい製品を買える可能性がある点と長期間利用の場合はレンタルよりも割安になる点です。国や地方自治体からコロナ感染予防製品の購入に補助金が出ている場合があります。費用が高い製品でも補助金を使うと半額程度で購入できるので、今後も長い期間使用する場合は購入の方がお得になります。
デメリットとしては、保守期間が短い点と性能が悪い場合に買い替える必要がある点です。保証期間については、通常1年がついていますが、その期間を超えると故障した場合は新しい製品を買う必要があります。また、保証期間内でも代替品が届くまでは時間がかかることが多いです。トラブル時の対応が遅いのはデメリットといえます。
また、ネットで購入する場合は便利な反面、性能に気を付ける必要があります。「瞬間検温」と記載されている製品でも実際に使ってみると検温に時間がかかる場合があります。そうすると、お客様を待たせたり、従業員のストレスになったりとせっかく購入した費用が無駄になってしまいます。購入の際には、デモ機を使用してみて、実際の使用感を確かめることをお勧めします。
ここでは、タブレットタイプのサーモカメラを選ぶ際の必須ポイントについて記載します。ただ検温するだけでなく、機能を組み合わせて使うことがより万全なコロナ感染対策につながります。
来場されるお客様向け、社内向け、従業員向けどの場合でも検温速度は重要になります。検温速度が遅いと入口で検温の待機列ができ、お客様や従業員のストレスになります。注意すべきポイントとしては、検温速度早くても、人を検知するまでの時間が長い製品があることです。外部の明るさやバックライトなどの利用環境にも左右されるので、一度実機をつかって使用感を確かめることをお勧めします。
アラート機能は、温度が高い人がきたときに特定の音を鳴らす機能になります。この機能があると無人で検温をしても、音で判断できるようになります。お客様向けの場合は、よくあるブザー音が鳴ると心理的圧迫感を与えてしまう可能性があるので、アラート音も設定できる製品をお勧めします。また、オフィスや従業員向けに使う場合は、アラートメール機能もあると便利です。この機能があると温度が高い従業員を検知したときに管理部署などにメールで通知できるので、スムーズに対応できるようになります。
検温管理機能はサーモカメラで検温した人の「名前」「温度」「検温時間」を記録する機能です。従業員の温度管理をしたい企業様に必要な機能になります。従来、ガンタイプで検温し、記帳していた工数も一気に解決します。各省庁がまとめているコロナ感染防止のガイドラインにも従業員の検温と体調管理を推奨する旨が記載されています。自治体によっては補助金利用する際にこのガイドラインを遵守し、認証を得ることが条件になる場合もあるので、検温管理機能がある製品をお勧めします。
なお、この機能を使うときはPC接続が必要なものと端末操作のみで完結するものがあります。端末操作のみでExcelなどに記帳できる製品を選ぶとより簡単に検温管理ができるようになります。
顔認証機能は、顔を画面に向けたときに人かどうかを判断する機能になります。この機能があることで、コーヒーやバックライト、太陽といった強い熱源の温度を測る可能性を減らします。また、従業員登録をしておくと顔を画面に向けるだけで、誰が測ったのかを判別できるようになります。
参考:【コロナ対策】サーモグラフィとは?レンタル可能な非接触タイプのオススメ検温サーモ3選をご紹介!
ここでは、各業種の利用シーンに合わせてサーモカメラのおすすめ機能を紹介します。
・アラート機能
・検温管理機能
・顔認証機能
・マスク検知機能 ※音声や検温画面でマスクの着用を促すために必要
飲食店の場合、忙しい時間帯に検温に人手を割くのはあまり現実的ではないので、アラート機能とマスク検知機能があるとよいです。また、検温管理機能があれば、お客様の検温だけでなく従業員の検温管理にも使えるので1台で2役の働きができます。中小企業であれば、小規模事業者持続化補助金を活用して、サーモカメラの購入費用を1/4負担してもらうことができます。補助金を活用しながら機能がそろった製品を導入することをお勧めします。
・検温管理機能
・顔認証機能
・モニタリング機能 ※検温画面をPCやスマートフォンに表示する機能
病院でサーモカメラを導入する時は、静かな待合室でアラート音を鳴らすのは難しいことがあります。そんな時に必要なのがモニタリング機能です。この機能を使って検温画面を受付のPCやスマートフォンに表示すれば、アラート音を鳴らさなくてもお客様の温度がわかります。待合室も静かなまま検温チェックできるのでお勧めです。
・アラートメール機能
・検温管理機能
・顔認証機能
・クラウド管理機能 ※複数端末の情報をPCで一括管理する機能
従業員の検温管理をするときは、アラートメール機能があると便利です。これを使うと高い温度を検知した時に、総務部などの管理部門に即メールが飛ぶのでスムーズな対応ができます。また事業所が複数ある場合は、クラウド管理機能があるとより便利です。この機能は複数端末の検温記録をWEB管理画面で確認できるので、本社や管理部門での一括管理が可能になります。
・アラートメール機能
・検温管理機能
・顔認証機能
・クラウド管理機能 ※複数端末の情報をPCで一括管理する機能
・ドア連携機能 ※登録した人が正常な温度の場合にセキュリティロックを解除する機能
コールセンターや工場などリモートワークをしにくく、感染防止策を徹底する業種におすすめする機能がドア連携機能になります。この機能はサーモカメラと自動ドアを連携することで、「温度が平熱」かつ「事前に登録された人」を認証した場合にロックを解除します。セキュリティ管理とコロナ感染防止の2点を併せ持つ機能になります。クラウド管理機能を併用すれば、支店異動があった場合にも柔軟に対応し検温管理することもできます。
いかがでしたでしょうか?ワクチンの接種も少しずつ進んでおり以前の生活に戻る兆しも見えつつありますが、まだまだ油断できない状況が続くかと思います。サーモカメラによる検温も重要な感染予防策の一つになりますので、本記事をお役立ていただけると幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。