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2021.03.16
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本記事をご覧いただきありがとうございます。株式会社TACTの小林です。
新型コロナウイルスが猛威を振るい始めて早一年が経とうとしています。去年の今頃は、そのうち収まるだろうと楽観的にとらえていたところも少なからずあったかと思いますが、ウイルスとの闘いはなかなか収束する気配を見せません。ワクチンなど現状を打破するための方法はありますが、未だ予断を許さない状況です。
そのような状況の中、除菌液は個人のレベルで欠かせないものとなりつつあります。これまでは飲食店などでは、折を見て消毒作業をしていたかと思いますが、現在は消毒作業をしたことがない業種でも、企業を存続させていくためには消毒作業が必須となってきます。
今回の記事では、そもそもどのような仕組みでコロナウイルスが消毒されているのか、除菌や抗菌、消毒などは何が違うのか、結局、コロナウイルス対策にはどれを使えばよいのか、そのあたりについて詳しく解説していこうと思います。お時間の無い方は、最後におすすめの除菌液を紹介しているので、そちらだけでもご一読ください。
この記事はおよそ5分で読むことができます。
そもそも除菌液は新型コロナウイルスをどうやって倒しているのかについて説明します。ウイルスは多数の種類に分類され、新型コロナウイルスは『エンベロープウイルス』という種類に分類されます。エンベロープというのは英語で『包み』、『おおい』などを意味しており、ウイルスの核となる部分が膜につつまれている構造を取っていることに由来しています。
この膜を壊すことにより、失活、つまりウイルスが死にます。アルコールタイプの除菌液や塩化ベンザルコニウムに代表される界面活性剤タイプの除菌液はこの膜を破壊することにより、ウイルスを失活化させます。
余談ですが、ノロウイルスなどは『ノンエンベロープウイルス』に分類され、膜がありません。膜がなく簡単に壊れる構造がないため、アルコールなどの除菌液ではなかなか失活させることができません。ノンエンベロープウイルスは、塩素系消毒剤などのより強い消毒剤を用いて殺菌する必要があります。
菌とウイルスの違いについてもここで触れておきたいと思います。
一般的に言われる菌とは細菌のことであり、栄養を摂取してエネルギーを生産するという生命活動を行っています。人間で言うところ呼吸や食事です。対してウイルスは自分自身で生命活動を行うことができず、繁殖することができません。新型コロナウイルスは文字通りウイルスに分類されるため、人間に感染し、人間の力を借りることによって繁殖していきます。つまり裏を返せば人間に感染させなければ繁殖することができないということです。この事実からも、いかに人の往来を減らし、感染者数を減少させることがウイルスへの対抗策として重要かがよくわかります。
新型コロナウイルスのほかに、インフルエンザや麻疹などはウイルスが原因であり、O157や結核などは細菌が原因となります。病気という大枠でとらえることが多いですが、実はこういった分類をすることもできます。
ドラッグストアに行くと、除菌や抗菌、消毒、殺菌などの文字が書かれた商品をたくさん目にします。似たような意味を持つ言葉ですが、これらの意味を正確に理解している人はかなり少ないのではないでしょうか?今一度整理してみようと思います。
・除菌:菌を対象から取り除いて、数を減らすこと。
手洗いの水流などで物理的に取り除いたとしても、定義としては除菌に該当します。
菌は自分で繁殖する力を有するため、それらが繁殖できないような環境に加工することを抗菌加工といわれます。ただ新型コロナウイルスに関して言及すると、ウイルスに分類され、自分自身で繁殖する力がないため、新型コロナウイルスに関してはあまり有効な対抗策とは言えません。
菌を殺す量に関する定義はなく、一部でも菌を殺すことができれば、殺菌能力があると言えます。
・滅菌:滅菌前と比べて、最近の数を100万分の1に減らすこと。
滅菌ガーゼなど主に医療現場などで見る言葉です。滅菌のハードルは高いため、シビアな衛生管理が求められる場でこの言葉が用いられます。
仮に生きていたとしても、毒性を消滅させることができれば消毒能力があると言えます。仮に何かのウイルスに感染したとしても、特に人間に害がなければ問題ないという考え方ですね。
厚生労働省のホームページ内に、『新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について』というページがあります。ここに具体的な消毒・除菌方法が記載されており、物に対する方法と、人間の手指に対する方法とに分類されています。物に対しては、アルコールのほかに、熱水や次亜塩素酸、洗剤など多数の方法が記載されていますが、手指に対しては、手洗いおよびアルコール消毒のみとなっています。
さらにアルコールの濃度に関しても言及されており、70~95%となっています。手洗いはハンドソープを使用することで、ウイルス自体を失活させる消毒効果と水流でウイルスを手から洗い流す除菌効果が期待されます。冬場などは肌が乾燥するため、手洗いに抵抗がある場合もあるかと思いますが、環境が許せば最も信頼できるウイルス対策であるため積極的に実施すべきでしょう。ただ手を洗う場所がないなどの環境的な要因により、まめに手を洗うことが困難な場合もあるかと思います。その場合、アルコール除菌液を携帯することによって、場所を選ばすウイルス対策をすることが可能です。
アルコール除菌液には、薬機法視点の分類と消防法視点の分類があります。
薬機法の観点から、アルコール除菌液は大きく分けて、『医薬品』『医薬部外品』『化粧品』『雑貨』に分類されます。このうち、雑貨以外は手指に使用できます。
また医薬品や医薬部外品であったとしても、厚生労働省が推奨しているアルコール濃度を満たしていないケースもあり、逆に化粧品や雑貨でも満たしているケースもあります。
自分が除菌液を選ぶ際には、何が目的なのかを考える必要があります。例えば新型コロナウイルスへの対策であればアルコール濃度が70%以上のものを選ぶことが重要ですし、ノロウイルスへの対策であれば、塩素系の消毒剤を選ぶことが重要です。
次に消防法の観点からアルコール除菌液を考えます。東京消防庁によると、アルコールの濃度が60%(重量%濃度)以上のものが危険物に該当します。消防法では「第四類・アルコール類」に分類され、貯蔵・取扱いする数量に応じて許可申請または届出が必要となります。
最大貯蔵量80L未満までは特に届け出は不要ですので、70%のアルコール除菌液を購入する際は、現在保有している在庫の量に十分注意しながら発注を行いましょう。
アルコール除菌液は、極端に言えばアルコールと水だけで出来ます。ただその2成分のみで構成されるアルコール除菌液は現在ほぼなく、その他の成分と組み合わせられているケースがほとんどです。ここでは代表的な3つの成分を紹介したいと思います。
アルコールと水のみの除菌液だと、アルコールが有する脱脂作用により、手荒れが進行していきます。アルコールの脱脂作用とは、詳しい仕組みは省きますが、手のひらの油分が抜けていってしまい、カサカサになってしまう現象のことです。手荒れが進行するとアルコールが手に染みて強い痛みを感じるようになり、アルコールの使用自体をやめてしまうことになりかねません。そうなってしまうと元も子もないので、アルコールによる除菌と、その他の手段による手のケアを両立させる必要があります。
そのため、グリセリンなどの保湿成分などを配合することにより、なるべく水分を手に保持させることで手を荒れさせないような工夫を行っています。
ジェルタイプのトロっとした使用感の元となるのは、カルボマーなどの増粘剤と呼ばれる成分です。増粘剤自体は化粧水や乳液などの化粧品に多く配合されるメジャーなものですが、アルコール除菌液の中ではうまくジェルになりづらいという特徴があるため、化粧水等と比べて比較的高濃度に配合されています。この増粘剤は、ほとんどのものが高分子と呼ばれるものであり、皮膚の中に浸透しません。また揮発もしないため、洗い流したり、ぬぐったりしない限りは肌の上に残り続けます。当然手を洗わず何度もジェルタイプの除菌液を使用すると、その増粘剤が肌の上に蓄積していきます。ジェルタイプの除菌液を使用する際にはマメに手を洗うなどの方法も組み合わせながら使用するなどの工夫が必要となります。
防腐剤とはメチルパラベン等に代表される、製剤の中に入ってきた菌などに対応するために配合されている成分です。つまり、除菌液が腐らないようにするために配合されているものです。でも考えてみてください。除菌や消毒するためのものが腐る=中で菌が繁殖する、ということです。菌は水が多い環境で繁殖しやすいという特性があります。防腐剤をわざわざ入れる必要があるということは、水が多い、つまりアルコール濃度が低いと推測されます。
こういったことにも留意しておくとよいですね。
ここまでのお話を踏まえて、おすすめの除菌液を3つお伝えしたいと思います。
これはTACTが販売する除菌液です。自分で言うのもなんですが信頼できる性能を持った商品です。アルコール濃度も70%を超えており、増粘剤等も配合されていません。さらに温泉成分に由来する緑藻エキスという肌に良い成分も配合されているため、除菌とハンドケアを両立させることができます。
TACTはコールセンターを運営しており、個人情報の観点からコールセンターはテレワークが非常に難しい業種です。さらに室内では電話を通じてお客様と通話する必要があるため、三密を回避することが困難です。そういった中で安定して業務を進めるためには信頼できる除菌液が必要でした。2020年の緊急事態宣言時には粗悪品も出回り、その時に自社にてOEM開発する方がよいという判断に至りました。実際に使用すると、さらっとした使用感ですが、後肌がしっとりとしていてあまりかさつきが気になりません。手荒れが気になる方にはぜひおすすめしたい製品です。
https://www.tactinc.jp/other_product/sanitizer
サラヤ株式会社が開発する除菌液です。飲食店業界では有名なメーカーであり、アルコール濃度は70%を超えています。成分としても必要十分なものが配合されており、特に飲食店を運営されている方にはおすすめしたい製品です。
https://pro.saraya.com/products/42308.html
花王株式会社の除菌液です。洗剤のアタックでおなじみの企業ですね。この製品は花王が業務用に展開しているブランドから出ている製品です。家庭用にもビオレから出ている除菌液がありますが、今回はアルコール濃度が70%を超えているという視点で選定しているため、こちらを選択しました。こちらも必要な成分が過不足なく配合されており、さらに誰もが知っているブランドという安心感もあって、見つけたら買っておいて損はない製品です。
https://pro.kao.com/jp/products/kps01/4901301504562/
いかがでしたでしょうか?成分等少し専門的なお話もしましたが、新型コロナウイルスに限れば、まずはアルコール濃度が70%を超えている除菌液を選択することと、手指をケアする成分(グリセリンなど)が含まれていること、この2点が重要です。
これまで何となく選んできた方が多いかと思いますが、これを機に普段ご使用の除菌液を一度見直し、自分にぴったりの製品を探してみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。