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2018.10.29
ブログ
AIコンシェルジュ
AIソリューション事業部の鈴木です。
デジタルが進化しWeb機能が充実していく中、チャットボットなどを活用した問い合わせの自動化も珍しくなくなってきました。しかし、とりあえずメールやチャットボットで問い合せてみるという方もいる一方、困ったときの最終手段はやはり電話でという考えも根強いです。すでにIVR(ボタンプッシュ)のシステムは一般的に知られていますが、自動化しているという印象の方は少ないのではないでしょうか。AIの電話対応においてもWeb同様システムの強化が求められており、コールセンター向けにAIによる電話対応サービスを提供する企業も徐々に増えてきました(当社のAIコンシェルジュもAIによる電話自動応答サービスです)。音声認識とAI技術の進化を背景に、AIが電話対応する時代が近づいているようです。
そもそも従来のIVRとAIによる電話対応ではいったい何が違うのでしょうか?
IVRによるボタン操作では、ガイダンスが長かったり階層が深くわかりづらいために、途中で電話を切ってしまったり、案内途中で結局オペレーターを呼び出すといったケースがありました。オペレーターに繋がるまでに長時間待たされたうえ、やっと繋がったと思ったら別の担当窓口への転送でまた待たされる、別の番号に架けなおすよう案内される…など、ユーザーにとって利便性が高いとは言いづらいものでした。
その点、AIであれば人と話すように自然な発話で用件を伝え、自然言語処理技術などを用いて意図を理解し、すぐに適切な回答を返すことが可能です。何度もボタンプッシュを繰り返すことで、ようやく目的の案内までたどり着くといったストレスはありません。実際の活用例で言えば、よくある問い合わせに対する音声での自動応答、SMSやLINEなどと連携した自動処理、最適なオペレーターへの自動転送など、人が対応しているのと変わらないように一次受付しています。
ここでAIの自然言語処理についても少しお話したいと思います。
まず基本的な単語辞書を学習させていきますが、そのままだといわゆる業界用語のようなものは理解できません。一般的な単語辞書を思い浮かべていただくとわかりやすいかもしれませんね。これについては、必要な専門用語を追加で個別学習させてあげることで認識率が向上していきます。さらに、さまざまな文章例を学習させることで、単語の繋がりや使い方を覚えていき、文章としてのつながりが正しいかどうかといった判別もできるようになっていきます。このような学習を繰り返すことで、下記のような言葉の揺らぎにも対応可能です。
⇒よくある自然発話の言い回しを理解し、同じ意味だと認識
今月11日、ディープラーニングの発展技術「LSTM」を、AIコンシェルジュの音声認識エンジンに採用したので、話し言葉を中心とした自然発話の認識率をより向上させることができると期待しています。
参考:コールセンター向け自動応答サービス「AIコンシェルジュ」にLSTM導入
技術の進化により、コールセンターでもAIの電話対応が普及していけば、24時間対応やIVR放棄呼の減少、定型的な対応を繰り返すオペレーターの負担軽減などさまざまなメリットがあります。Web機能同様、コールセンターにおいても、自動化の波は避けては通れない課題です。誤認識したら逆にクレームが増えるのでは?という心配もあるかと思いますが、まずは効率化が進められそうな所から部分的にAI導入を検討してみてはいかがでしょうか。
コールセンターへAIを導入する際に失敗しないための4つの注意点
AI導入によりサービス拡充や、効率化の支援、生産性向上に貢献できればと考えております。弊社クライアント様の導入事例なども交えてご紹介しておりますので、お気軽にお問合せください