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2024.09.11
ブログ
AIコンシェルジュ
導入事例
「電話の自動化」という単語を聞いて、みなさんはどのような利用イメージを思い浮かべるでしょうか。
会社の代表電話の電話番だったり、コールセンターのオペレーターとしてたくさんのお客様の問い合わせを受けてくれる、そんなイメージがあるのではないでしょうか。もちろんそれも正解ですが、実は今では、ボイスボット(対話型AI)が人に代わって電話をかけることも可能です。
多くのコールセンターでは離職率の高さや、少子高齢化による採用難など、人手不足に悩まされることが少なくありません。そこで定型的な電話業務をボイスボットに任せてしまうことで、業務の効率化を図ることができます。
今回は実際の事例を交えながら、アウトバウンド(架電業務)に特化したボイスボットの活用方法について紹介していきます。
実際の事例紹介の前に、ボイスボットのアウトバウンドの効果について説明します。
・コール数の大幅増加
ボイスボットはお客様との応対記録をリアルタイムで記録してくれるため、人間のオペレーターとは異なり、後処理時間がなく、すぐに次のお客様に架電することが可能です。
また、ボイスボットは人間と違って休憩時間や労働時間の制限も必要ないため、休みなく効率的にアウトバウンドを行い続けることができます。そのため、人で行うよりも多くの架電が可能となっており、CPH(時間あたりのコール数)の向上につながります。
最後に、ボイスボットの機能によっては複数同時発信も可能なため、繁閑によってコールリストが変動するようなケースにも対応できます。AIは一回学習させてしまえば複製は簡単なので、新人オペレーターへの研修コストがかからないというメリットもあります。
・オペレーターの心理負担の軽減
アウトバウンドはお客様が電話に出ないことが多いだけでなく、クレームやガチャ切りへと発展する場合もあります。
特に債権回収などの督促業務では、金銭が関わるため、お客様の温度感が高いことも多々あります。また、カスタマーハラスメントと呼ばれる理不尽な言動や態度をとるお客様にも対応せざるを得ない場合もあります。そのようなお客様の対応でオペレーターがストレスを感じ、結果休職や離職につながってしまう...ということも珍しくありません。
対してボイスボットは一切ストレスを感じることなく、冷静に淡々と業務をこなすことが可能です。また、お客様も電話口がボイスボットであると認識すると「文句を言っても取り合ってもらえない」と理解していただけるため、結果的にクレームに発展しづらくなります。
・折り返し対応で、利便性の向上
お客様が何らかの要因で電話に出れず、後ほど折り返しお電話をいただくケースもあります。しかし、お客様のお仕事等の都合で有人コールセンターの窓口が閉まっている時間帯に連絡が来ることも少なくありません。
そこで折り返し専用のボイスボットを用意しておくことで、営業時間外の深夜・早朝にも対応することが可能です。またPBX(電話交換機)等の設定によって、受けつけた電話番号によって、ガイダンスやフローを変更することも可能なため、お客様のCX(顧客体験)の向上にもつながります。
宅配水サービスを展開するプレミアムウォーター株式会社では、お客様数の増加に伴う入電数や宅配水の未受取に伴う再配達の依頼の増加を見込んだCX向上のために、株式会社TACTのボイスボット「AI コンシェルジュ®」を導入しました。
宅配水を未受け取りのお客様に対してボイスボットが自動で発信し、電話がつながったお客様に応じて、宅配水の保管期限のリマインドや配送業者を案内します。お客様が再配達を希望した場合は、希望の日付と時間帯をボイスボットがヒアリングし、自動的に受けつけることが可能となっています。
また、これまでの有人コールセンターの窓口が10時から18時の営業だった部分も、ボイスボットの導入によりお客様の折り返し電話も24時間365日対応できるようになり、時間外でも利用したいお客様の利便性に貢献できるようになりました。
はじめはスモールスタートでボイスボットを利用していましたが、徐々に業務範囲を拡大していきました。その結果、アウトバウンド業務全体の6割を自動化に成功し、ブース数は従来の約7分の1にまで縮小するという効果を上げています。
またTACTではプレミアムウォーター株式会社のほかにも、東京都港区や埼玉県狭山市といった自治体への導入実績や、人材派遣のスタッフサービスのアウトバウンド実績もありますので、下記のリンクも併せてご確認ください。
コンタクトセンターを中心としたBPOサービスを提供するディー・キュービック株式会社では、人手不足の問題で業務効率化や省力化が必要となっていました。特に繁閑によって人員確保するのが難しく、長期的な視点で見ても従業員が定着しないことが課題となっていました。
そこで、「音声コミュニケーションの自動化」の方法を模索していく中で、ソフトフロント社のcommuboに出会い、導入を決めました。
これまでは短期間の大量のアウトバウンドコールの案件があった場合は、数百人の人材確保と教育で、案件を開始するまで2か月かかることもありました。しかし、commuboではシナリオを準備するだけになり、準備期間が15日ほどとなり、大幅な時間短縮につながりました。また、ボイスボットが均一の水準で案内するため、クオリティの面でも満足されています。
店舗流通ネット株式会社は飲食店の出展支援を主力にしており、担当者が1週間に200〜300件も電話でテレアポをしていたそうです。しかし、単純なテレアポ業務にもかかわらず、莫大な時間的工数や話中のやりとりの中で生じるストレスについて課題を感じていました。
そこで、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社が提供するボイスボット「AI電話サービス」を使ったテレアポの実証実験を社内で実施しました。
実証実験では、社員が顧客役となってAIとの電話対話を行うことで、複数の利用シーンを想定したデータを収集するという方法で進みました。そのため、職種・性別・年齢において幅広い層が実証実験に参加しましたが、どの分野でも「定型業務の効率化」という点で非常に高い評価を得ています。また、実証実験を通じてチューニングを繰り返すことで、最終的にボイスボットとの応対の満足度が向上したとも報告しています。
今回の記事では「アウトバウンド」にスポットをあてた、様々なボイスボットの導入事例をご紹介しました。受電業務の印象が強いボイスボットではありますが、業務選定や要件をしっかりと決めたうえで活用すれば、人以上に効果を発揮できることをお伝え出来たかと思います。
しかし、ボイスボットもオペレーターに比べるとまだまだ複雑なことができていないというのが現状です。昨今の生成AIの発展の目まぐるしさも相まって、遠くない未来にAIが商談のアポイントメントを取ってくれたり、お客様のニーズに合った商品営業もできるようになるかもしれませんね!
もし電話業務全般でのお悩みや「こんなことができるかな」といったアイデアがあれば、ぜひお問い合わせ頂けますと幸いです。
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